父が大切にしてきた人々
最後の最後で色々あった2018年が終わり
2019年 元旦のカルフォルニアは
青空が広がり辺り一面が太陽のひかりに満ち溢れています。
新しく始まった年が
人々にとって 健やかにそして心穏やかに過ごせる1年となりますように。
日本に住んでいる人にとってお正月三が日は
家族が寄り添って過ごす時間ですね。
我が家(日本の実家)の場合
年末年始は仕事で忙しい弟
そして 海外で生活をしている娘(私)と
みな それぞれの地でお正月を迎えるというスタイルでした。
私が長男坊を出産してからの数年 クリスマス休暇には
こちらに遊びに来てくれていた両親も
ここ数年は 夫婦揃って初日の出を見に行った後 初詣をして
家でゆっくりと過ごしていたようで
それが出来なくなってしまった今 母を海外から
いかにしてサポートしていくか 色々考えた中の1つが
デイリーフェイスタイムです。
父が亡くなった日の翌日から
フェイスタイムで2時間
長い時は3時間ほど毎晩母と話しているのですが
お通夜や告別式に参加する事が出来なかった私に
色々なエピソードを母がシェアしてくれる母と娘の時間であると同時に
私の父がどんな生き方をしてきたかを知る時間となっていて
母に胸の内を話すということがほとんど無かった50年という私の人生の中で
最も濃い母と娘の時間となっていることが
なんとも興味深いです…
前回の記事でも触れたように
母と父の兄弟 そして母と私の弟家族のみでおくる
シンプルな家族葬にすることを決めていたのですが
父が書き残した葬儀プランの片隅に
とても親しかった友人3名の名前が書き残されていたこと
そして母にも生前
彼らも出席できたらいいなあ
なんて呟いていたらしいので その3名に家族葬を執り行うことを連絡させて頂いたところ
私達3人だけでなく
あと7人 どうしても告別式に参加させて頂きたいと
ご丁寧に 皆さんそれぞれの父との繋がりが記載された紙を持って自宅に来て下さり
母と喪主である弟に懇願されたそうです。
皆さん 父より数年上で80歳を超えていらっしゃるのですが
今もお元氣で地域社会に貢献されていらっしゃる人生の大先輩
父とは50年来の仲間で
結婚式に参加して下さった方もいらっしゃるようで母とも面識がある方々です。
亡くなる前の週に皆で集まりゴルフを楽しみながら
お互いの近況報告をしあったばかりで
亡くなった日の翌日には忘年会で再び集まる予定になっていたこともあり
皆さん それはもうショックのご様子で
告別式に参加出来ないことは堪え難いとのことでした。
最終的には皆さんにも告別式に参加して頂くことになったのですが
式の後も あらゆる書類整理を手伝って下さっただけでなく
ひとり残された母がさぞかし寂しい想いをしているだろうと
頻繁に電話も入れて下さっているとのこと
とても有難いことです。
告別式が終わった翌日には
大きな花束と母への思いやり溢れるお手紙が届きました。
父の大学時代の同窓生 2人の友人からです。
父が亡くなる前から私が凄いなあと思っていたことの1つが
79歳という年齢であったにもかかわらず
小学校時代の仲間 大学時代の仲間 そして会社の同僚達と出逢う時間を
とても大切に そして楽しみにしていたことでした。
私が子供の頃の父はとにかく仕事人間だったので
友情とか そういうものには全く興味がない人だと勝手に思い込んでいたけれど
どうやら私は父のことをあまり良く知らなかったようです。
75歳で50年のキャリアに終止符を打った父は
その後も母と様々な地を訪れるいっぽうで
公民館で習い始めた詩吟も熱心に練習をしていて
時々行われる発表会には母も父の晴れ姿を見に行っていたそうです。
このことを聞いた時
え? なんで詩吟?
というか
詩吟というものを全く知らなかった私(苦笑)。
告別式の数日後に
詩吟のお仲間さん達が先生と一緒に家に来て下さり
皆で 父を弔う詩吟を歌ってくれたそうです。
父が歌う詩吟 1度聞いてみたかったな…
自分の娘が 人1倍自由奔放で破茶滅茶な娘(私)である事は百も承知で
結婚なんて絶対無理!(というか 出来ないだろう)
依って
孫を抱くことなんて 夢のまた夢
と思っていたであろう父にとって
2人の孫が成長していく12年という時間は
娘から父への人生最大のサプライズプレゼントであったと思います。
実はこのほかにも
葬儀後 父の部屋を片付けていた母が
なんなのこれ?
というものを見つけてしまったことで
私達家族が全く知らなかった父の人生を見ることに…
娘である私に
人生最大のショッキングバースデープレゼントを残し旅立った父
一体これって どういうこと?
聞きたいこと 確認したい事が山ほどあるけれど
もう 逝ってしまったんだもん
あ〜〜 どうしようもない…
でも さすが我が父(苦笑)
自分のやりたいことを全てやり尽くし
人生を謳歌したあと
呆氣無く旅立ったことだけは間違い無いわけで
あっぱれだわ お父さん
とただひとこと遺影に向かって呟く娘
(母は ブチブチ遺影に向かって言ってるみたいだけどね あはは)
家族という形態で共に学んでいこうと決めたテーマが
時には 家族の1人が旅立った後も
残された者へのライフレッスンとして続いていくことを
体験中の我が家です。
Elven Blessings,
Mika